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ハエ実験室の二酸化炭素濃度


Date: Wed, 20 Mar 2002 13:42:37 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] ハエ実験室の二酸化炭素濃度

ハエの実験室を作るときに、麻酔に使用する二酸化炭素の室内濃度が
上がりすぎないようにどのように配慮すればいいかを質問されたので、
ちょっと計算してみました。

メルク・インデックスによると、人間は空気中の二酸化炭素濃度が
10%を越えると生きていけないそうです。15%なら死にます。もち
ろん ppm レベルで作用する一酸化炭素などの有毒ガスに比べれば
毒性は僅かなものですが、それでも火山の廻りなどで大量の二酸化
炭素が発生し、通りがかった登山者やふもとの住民が死んでしまう
事故も起きていますので、気をつけるに越したことはありません。

さて、人間の呼気には3〜5%の二酸化炭素が含まれます。人工呼吸
するときはこのような高濃度の二酸化炭素を含む空気を相手の口に
吹き込むわけですから、ある程度の短時間ならば、数%までの二酸
化炭素濃度は、大丈夫なのでしょう。

二酸化炭素(CO2)の分子量は 44 です。つまり1モル 44 グラム。
30キロ入りの炭酸ガスボンベには、30000/44 = 681.8 モル含まれ
ることになります。1 モルの気体の体積は 22.4 リットルですから、
681.8 モル なら
22.4*681.8=15272 リットル=15.3 立米
(建築業界では立方メートルを「りゅうべい」と読みます。)

いっぽう、普通の実験室の天井の高さは2.4〜2.6メートル、プレハ
ブなら2.1メートルくらいです。従って20平方メートルの部屋なら、
40〜50 立米の空気があることになります。この 10 %というと、
4〜5 立米。

従って、30キロボンベの3分の1、もしくは10キロボンベ1本全
部の二酸化炭素を部屋にまき散らさないと、二酸化炭素では死ねな
いということになりますね。ふつうはボンベ1本を1〜数週間かけ
て使い切るという感じでしょうから、少なくとも二酸化炭素の急性
毒性については、そこまで神経質になる必要はないようです。

しかし、空気より重い二酸化炭素は部屋の下の方に沈殿してゆきま
すから、風通しの悪い部屋では、床付近は相当な高濃度になってい
る可能性もあります。徹夜明けの時に床に寝ころんで仮眠するのは
やめた方がよいかも知れません(笑)。

また二酸化炭素だけでなく、ハエの実験室では人いきれやエサから
の酸性ガスも出ます。麻酔にエーテル等を使っている研究室では、
揮発したガスの研究者に対する有害性は、もちろん二酸化炭素の比
ではありません。「シックハウス症候群」ではありませんが、普通
の部屋以上に、ハエ実験室の換気には気を使った方がいいと思いま
す。1時間に最低1回、できれば数回は部屋の空気が入れ替わるの
が理想でしょう。部屋の幅、奥行き、高さを測って体積を計算し、
1時間にその数倍の量の空気交換ができるような換気装置が必要で
す。たとえば広さ 20 平米の部屋なら体積が 50 立米ですから、1
時間に 100〜150 立米、つまり毎分 2 立米程度の換気能力が必要
です。3 畳(5 平米)のプレハブなら毎分0.5立米。

建物内の普通の実験室なら、建物の換気装置が作動しているはずで
すが、プレハブ恒温室は、ついつい密閉式にしてしまいがちです。
なるべく換気装置をつけることをお薦めします。三菱電機から「ロ
スナイ」という商標で販売されている換気装置は、吸気と排気の間
で熱交換をしてから空気を入れ換えるので、高温あるいは低温のプ
レハブ室でも温度維持に影響を与えません。エサからの酸性ガスで
プレハブの冷却器のフィンが錆びてしまうという事例も報告されて
いますが、ロスナイで換気すればこれも防げます。設置をお薦めし
ます。

いとうκ


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Date: Wed, 20 Mar 2002 15:13:35 +0900
Subject: [Jfly] Re: ハエ実験室の二酸化炭素濃度
From: Shuji Hanai

花井@筑波大です

> ハエの実験室を作るときに
低温室を飼育室に改装して貰うときに酸素モニターをつけて貰いました。
(メーカーは「ジコー」とかいう会社)
CO2を見ているのでは無いですが、酸素約18%以下で警報が出ます。
電池が切れてくると数値が下がるのでちょっとドキっとします。

> メルク・インデックスによると、人間は空気中の二酸化炭素濃度が
> 10%を越えると生きていけないそうです。
ヒトは3%で自覚症状(めまいとか頭痛、だるさ)が出始めるそうです。
ハエってタフですね、、、

> 三菱電機から「ロスナイ」という商標で販売されている換気装置
うちも付けて貰いました。掃除の後で電源を入れ忘れた時に、有り難さを感じました。

追伸
遺伝子解析ソフトの情報頂けませんね、、、教授にDNASIS買ってとねだることにしま
す。

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